2017年~2020年の3年間、私はアメリカに住んでいました。
アメリカで生活している中で、「このあたり、日本と違うな~」と思ったことがあります。それは、「企業からの直接の広告の多さ」です。
日本では新聞のチラシなどの折り込み広告がメジャーですが、基本的にチラシは個人を特定した広告ではないですよね。その地域の人全員に出す広告です。
アメリカに住んでいたとき、そういった不特定多数向けの広告ではなく、個人名宛の広告がよく届きました。
レジで個人情報を積極的に収集される
服屋さんやスポーツ用品店に買い物に行くと、たいてい、名前、電話番号、メールアドレス、住所という個人情報の登録を促されました。
「登録すると、この会計が20%オフになるからぜひ」と言われ、まんまと登録してしまいます。後ろが長蛇の列になっていても、気にせず会員登録を促されます。レジを早くさばく事よりも、目の前の人の個人情報を収集したほうが、最終的に得なのだと思います。
(アメリカ人は、レジ待ちにあまりイライラしないとも聞きましたが)
個人情報を登録して会員になると、
- その場で、次回使えるクーポンがもらえたり
- メールでクーポンが送られてきたり
- 郵便でクーポンが送られてきたり
あの手この手でクーポンが送られてきました。
1つの店舗から1カ月~3か月に1回くらいの頻度で届きます。
それらのクーポンの割引率は10%は当たり前。
70%オフの時もあり、買い物に行かざるを得ない気持ちになります。
スーパーマーケットもクーポン攻撃
当時、私はクローガーという大手スーパーマーケットの会員で、よく買い物をしていました。
もちろんここからもクーポンが頻繁に届きます。
そのクーポンのラインナップは、私が普段購入する商品や好きそうな商品で構成されています。
ちょっと怖くなるくらいパーソナライズされているなあといつも感心していました。
クーポンは日本でももらえますが、ここまで徹底的に頻繁に個人宛に送られてはいませんでした。
「ぜったいにリピーターにしてやる!」という強い意志を感じます。
この仕組み、中小企業でも使えそうでは?
上手くいくためには、他業界の常識をマネると聞いたことがあります。
こういったアメリカの小売業の常識(?)を私たちのような日本の中小企業がマネするのも面白いかもしれません。
売上をあげるためのポイントは、大きく分けて2つあります。
1つめは、見込み客を集めて【初めて】商品を購入してもらうこと
2つめは、一度購入したお客さんに【継続的に】購入してもらうこと
クーポン攻撃は、2つめの【継続的な購入】を促す施策ですね。
2回目以降のお客様に、いかに継続的に高頻度で買い物をしてもらうか。お店はこのために、頻繁にクーポンを送り、自店舗のことを忘れさせないようにしているわけです。
【継続的な購入】をしてもらうため、個人情報を入手して、定期的にコンタクトをとる
日本でいうと、「ルート営業」や「お歳暮」もこれの仲間に入るのかもしれません。とはいえ、ルート営業は人件費がかかります。「お歳暮」は、直接の売上にはつながりにくそうですね。
しかし、上記のアメリカの例のように、定期的なメールやダイレクトメール(郵便物)を使えば、低コストで1人の(一社の)お客さんから、長く継続的に買ってもらう「仕組み」ができそうに思いませんか?
ちなみに企業間取引(BtoB)の場合は、大幅な割引クーポンは必要ないと思います。
それよりも「定期的なコンタクト」というのがポイントです。
ホームページに組み込むべき仕組み
私は、ホーム―ジというのは、この仕組みのスタートの一つだと考えています。
ホームページから問い合わせしてくれた人(企業)に対して定期的にコンタクトをとる仕組みを作り、継続的で高頻度な購入につなげる。こういった流れを意識して、ホームページを作るべきだと思っています。
そうしないと、ホームーページでの集客を頑張って、購入や問い合わせが発生したとしても、単発のもので終わってしまいますから。
新規のお客様から買っていただくことと、既存のお客様にもう一度買っていただくこと、どちらが難しいと思いますか?圧倒的に、新規のお客様に購入してもらう方が難しいです。その差は5倍とも7倍とも言われています。
ホームページを制作する際は、ぜひ、こういった売上を生み出す全体の流れ(仕組み)を最初に考えてみてください。何も考えずにホームページを制作するのと、仕組みを意識して制作するのでは、同じホームページの制作でも差が出てくると思います。
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